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2008.07.02 Wed 「 turn 10.64LC 短編

元々はライとルルーシュとのラブラブ全開いちゃこら小噺を書いていたのですが,手違いで消えてしまって;
絶望と共に書き上げたのは,turn10に関係する全然ラブもいちゃいちゃもはいってこない.CPもまるでなしなお話になりました.
コンセプトがあるんですけれど.それはまた次回ということで.
このturn10にはライが本当にいてくれたらいいなというかいないとちょっとうまく騎士団の格納庫が機能しないんじゃないかなと思って書きました.
エースがいるのといないのでは点と地の差があるのではないかな,とかなんとか思ったりなんかりして.
カレンが捕まったときの皆の反応があまりにも絶望的だったからそう思ったのかもしれませんが.

このお話は少し続くと思います.
リハビリとして書いているので,まとまりきらなかったらごめんなさいです;

あと,LCの公式HPに名場面集が発表されていてうきうきしながら見たのですが,妥当なランキングでしたね.
1位はそれしかないだろうというLC名場面の中の名場面が入っていました.
一周目がギアスEDだからこそ2週目,3週目は絶対に幸せにしてやろうと思いますし,憎い演出だと思います.
大好きです.
久々に見たライの名言はやっぱり名言だなと思ったり,攻略本には台詞が詳しく載っているといいなと思いを馳せてみたりしました.

最後になりましたが拍手&訪問ありがとうございます.
こんな感じで7月はやっていきたいのでよろしくお願いします.



永久に一緒にいるなんてできない.
それでも望んでしまう.願ってしまう.
ただ傍にありたいと.同じ道を共に.
見ているもの,感じているものをできるだけ共有したい.
でもそれ以上に,僕は君に生きていて欲しいんだ.
生きて世界を正しい道へ.

turn 10.64

斑鳩の作戦司令室を飛び出し,ナイトメア格納庫にたどり着いたとき,すでに整備士に詰め掛けている藤堂さんがいた.
「斬月を出せるか?」
「それがユニットを外したばかりでして…」
「く…っ!」
先ほどの戦闘の直後だ,敵襲があるとしても一時間後と予想されていただけに仕方がない.
千葉の暁を優先して補給したと聞いている.ということは,紅蓮弐式可翔式も…….
「なら,僕の月下を出してくれ」
「作戦補佐!」
「ライ!」
僕の登場がそんなに意外だったのか,困惑と申し訳なさを併せ持った整備士と顔をゆがめていた藤堂さんが同時に振り返り目を点にした.
藤堂さんに至っては,登場と共に別のことについての驚きも合わさっていたようだ.
「だが君のナイトメアは…」
「飛翔滑走翼との相性が悪くて実用化に踏み切れいていないのは知っています.でも今はそんな場合じゃないでしょう.中華連邦の新型を侮らないほうがいい.あれに乗っているのは星刻だ」
「しかし,カレンくんも負けてはいないはずだ.千葉と朝比奈もいる」
「ええ,カレンは腕のいいパイロットですよ.けれど徹底的に欠けているものがある.それは貴方もわかっているでしょう」
話している間にも戦局はめまぐるしく変わる.玉城の一喜一憂の反応がこんなに役立つものになる日が来るとは思っても見なかったが,事態は望まぬ方向に進んでいることは明らかだった.
「斬月のユニット交換を急げ,メンテナンスもだ.それと,できるだけ多くの機体が速やかに出撃できるようにしてくれ.僕の飛翔滑走翼は後回しでいい」
「は,はい!」
背筋を伸ばして了解した整備士が走り去る姿を視界に入れながら,思考の海へと思いを馳せる.
嫌な予感がする.
胸がざわめくような,背筋が凍るようなとても嫌な予感が.
いつくもの戦場で聞いた爆音や爆炎の香りが昔の記憶を思い起こさせるのか.
そういえば,先ほどの衝撃で神楽耶様や天子様は大丈夫だったろうか.おびえていなければいいが…,いや,あのカグラ様がそのようなおしとやかな面があるとは思えないけれど.
「何を考えている」
黙りこくって思いにふける僕の耳に藤堂さんの声が何よりも大きく耳に入ってきた.
心配しているというよりも,思考を探るような目を向けられて困惑する.
確かに月下に乗るといったり,後回しでいいといったり行動に一貫性が見られないので何か策を練っているとでも思われたのだろう.
策なんてものはゼロが考えることで,参謀であるディートハルトのすることだ.
「僕は作戦補佐ですよ.ゼロが考えうる作戦を速やかに遂行できるようにすることが仕事です.今度から指揮系統のナイトメアは優先的に整備するようにしないといけませんね.最悪でも紅蓮は第一に補給しておくべきだった.これでは効率が悪すぎる」
自分の考えが外れればいい.ただの奇遇であって欲しい.
そんな思いをこめて話をそらした.
けれど現実はそんなに甘くない.中華連邦も,星刻も一筋縄ではいかなかった.
カレンの活躍を目にした歓声が止んだのは,藤堂さんとそんな話をしていた時だった.
「カレンが捕まった…」
それは絶望にも似た響きだった.体の奥から力が抜けていくような,頭を鈍器で殴られたかのように視界が揺らいでしまったかのような.
それもそうだ.
カレンは黒の騎士団のエースパイロットである.彼女一人いるだけで兵の士気も能力も格段の差が出る.
エースは兵の旗印でもあり,柱であり,死線に向かう兵たちに生きて戻れるという確信と勇気を持たせてくれる希望なのだ.それに故に,何があっても落とされてはならない.
大黒柱が折れた家が見るも無残に潰れるのと同じで,エースを失った軍は崩れ去ることしかできないからだ.
「中華連邦軍にか!」
遠くで,藤堂さんの声がする.
僕は見行くことができなかった.
「カレンに欠けているもの.それは経験だ.戦争での経験…」
いつもフルチャージで戦えないことの恐ろしさを彼女は知らない.だから安易に飛び出していってしまう.
震える拳を握り,奥歯をかみ締める.
嫌な予感というものは,どうしてこんなにも当たってしまうのか嘆くよりも,今はやらねばならないことがある.
まだカレンは落とされたわけじゃない.負けたわけじゃない.折れたわけじゃない.
「全員戦闘配置につけ! ナイトメアに騎乗し,ゼロの指示を待て,急げ!」
一人のパイロット.
ただのパイロット.
しかし,ナイトメアが紅蓮弐式可翔式で,騎乗しているのがカレンというのはただのではすまされない大問題だ.
(ゼロ…)
僕は君を信じている.判断を誤らないでくれよ.
格納庫に備え付けられているスピーカーに,半ば放心状態の兵士たちに激を入れながら願った.
君にはまだわからないかもしれない.一般の兵にとって彼女がどんなに大きな存在なのか.けれど,そんなことがわからなくっても君は知っているはずだ.君にとってカレンがどんな存在なのか.
取り戻す.
そうだろう?

To be continued...

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