昨日の続きでございます.
好きな相手が電話をするというシチュが好きらしい私は,花主でもそれをやっちゃいました.
新たなる萌えポイントの発見です.
でも,そんなにラブっているわけではありませんorz
いや,片思いだから仕方が無いのですけれどね;
楽しんでいただけたら幸いです.
「花村……? あれ、授業は?」
「昼休み。てか、昼休みってわかっててメールしたんじゃねーのかよ」
「ははは、バレたか」
「バレバレだよ」
お前のことなんかお見通しだっつの。
「で、どした? いきなり休んで音信不通になって、学校にも連絡入れてねーみてーだし……すっげー心配したんですけど!」
「ごめん」
「心配して携帯ばっか見るし、授業に身ぃはいんねーし。でもってお前いないからていう理由でめっちゃ当てられるし、答えらんなくて課題出せとか言われるし、もう最悪なんだよ、お前がいないと!」
ああ、ヤバイ。
止まらない、口が。
抑えることが出来ない、感情を。
こんなんじゃ、まるで…
「やっとメール来たと思ったら何なんだよあれ! もっと他にいうことあるだろ! かわりない? ってさ、変わりあるよ! ありまくりだよ!」
まるで親に駄々こねる子供みたいだ。
でも事実。これが今の俺。
「-………お前がいない……。お前がいないと全然景色違うし、調子でねぇんだよ………」
俺はお前一人いないだけで全然ダメなんだ。
「花村…その……ごめん」
「謝ってほしいわけじゃない」
「わかってる。今度はちゃんと連絡するよ。約束する。それと課題も、心配かけさせたお詫びに手伝うよ」
「当たり前だろ、俺一人でできっかよあんなの」
「うん。だからさ、もう、泣くなよ」
「ばっ………! 泣いてねーよ!」
「そうかな? じゃあ泣きそうにならなくていいよ」
「だからぁー! 大体顔も見てないのにわかるわけねーじゃん」
「わかるよ」
「へ?」
「花村なら声聞くだけでどんな顔してるかくらいわかる」
「………」
「花村?」
うわー、わーわーわーっ!
静まれ! 静まれ俺の心臓!
なんて殺し文句をさらっとなんでもないことのように言うんだこいつは…!
「もしもし、花村?」
「ちょっと黙ってて!」
「黙ってって…これ電話……」
「いーから!」
しかも本人は無自覚ときてる。
性質が悪いったらない。こっちはメールの一通、たった一言でも感情を浮き沈みさせているというのに。
ああ、でもヤバイ。これはそーとー嬉しいかもしんない…。
「なぁ、」
「ん? もう話していいのか?」
「今、俺がどんな顔してんのか、わかる?」
「黙ってたのにわかるわけないだろ」
「なんだよ、わかれよ」
「俺にエスパーになれと?」
「俺も……俺も、お前のことわかるようになるから、声聞かなくてもわかるようになるから……だからお前もそうなれよ」
だんだん尻窄りになる声。あいつのようにさらっと言えたらいいのだけれど、こんな決死の告白のような台詞、どんなに勇気を鍛えても言えそうにない。
「あ」
短い声の後、嫌な間があった。
にたぁとあいつがからかいじみた笑顔を浮かべるのが見えた。それとこれから言うであろうセリフも。
「今のはわかった。ふふ、花村顔真っ赤だろ。恥ずかしいやつ」
「うるせーよ! てか、まだ俺の質問に答えてもらってないんだけど!」
「質問?」
「今日休んだ理由!」
といえば「ああ」と返ってくる始末。
こいつ俺のメールホントに読んでんのか?
「菜々子が」
「菜々子ちゃん?」
「風邪をこじらせたみたいだから遼太郎さんの代わりに病院に連れていってた。小学校には連絡したんだけど、高校は忘れてたな」
「じゃあお前は……」
「うん、元気。だからそんなに心配されてるとは思わなかったんだ。ずっと病院にいて携帯の電源も消してたし」
「え、電源?」
「家に帰って菜々子を寝かしつけて時計を見たらちょうど昼頃だったからみんなどうしてるかなて思ってメールしたんだけど…もしかしてさっきから届いてるメールの山は……」
もしかしなくもなくて、俺が永延と送ってたあれですか…?
「ちょ、やめてそれ読むの! 消して、今すぐ消したげて!」
「電話してる途中だから操作できないよ。切ったら別だけど」
「うわ、タンマ! 待って、切らないで、まだ切らないで下さい!」
「じゃあ花村のメールは後でゆっくりと読ませて貰うことにします」
「あー、なんなんだよこの時間差羞恥プレイ…」
数10分前の自分に落ち着けといって肩を叩いてやりたい。こいつはなんだか楽しそうにしやがって。結局は俺が一人でからまわってただけじゃんか。
「そんなに恥ずかしい内容なのか?」
「内容よりもそんときの必死さがハズイ…デス」
「俺は本気で心配してくれた花村の気持ちを嬉しく思いマス」
「それに同じような内容のメールが何通も続くから流石にうざいかなって、え?」
ん?
…………え?
今、嬉しいって……、え?
「あ、菜々子が起きた」
立ち上がる気配。あ、いっちゃう。
「ちょ、あの、さっき…!」
「花村も授業ちゃんと出ろよ、あと、昼飯もちゃんと食え。時間ないかもしんないけど…明日……」
「明日? 明日より俺は聞きたいことが…」
明日なんかあったっけ? てか、さらさらしゃべってたのに急に言いにくそうにするなよ。
「バイト、なかったよな?」
「バイト? ないけど」
「菜々子の熱も引いたみたいだから学校いけそうだ。そしたら課題やろう。弁当持ってくから。それじゃまた明日」
プツン。
ツーツーツーツー。
…………。
なんだあれ。
なんだあれなんだあれなんだあれ!
え、なに、照れてた? 照れてたの? 照れてたよな、あれは確実に。
何に、どれに、どこに!
俺が心配したのが嬉しいとか、そこだったりする? しちゃう?
「それって心配したのが俺だから嬉しいとかそういう意味になっちゃわない?」
-………ヤバイ。顔がにやける。マジで自惚れそう…。
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