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2008.08.06 Wed 「 非戦闘時間(ルルライ+黒の騎士団  LC)LC 短編
最近本当にルルーシュに対する扱いが酷いような気もしますが,それは愛情の裏返しということで.
私はR2にこんな黒の騎士団を求めていたんですと叶わぬ夢を形にしてみました.

こんなお話でありますがいろんなところで18禁になりかけていたんですよというのは内緒の話.
いえ,本編は完全ギャグなんですけれどね(笑)
どこがなりかけたのか予想しながら読むのも面白いかもしれません.

ロロとか玉城とかもちょろっとでますよ.
カップリングでもないのに玉城出現率が多いのは私が書いていて楽しいからです(笑)

別に二人でいないといけないということはないし,僕が守っていれば彼に危険が及ぶことはない.
此処は斑鳩の中で,敵襲は全方位5キロ検索しても見当たらない.
平和なものだ.
平和なはずだ.
少なくとも,この部屋以外の場所でならそうであるはずだ
「作戦補佐,例の資料持って着ました!」
「こっちは開発チームからです!」
「ディートハルトさんが,次の戦闘での作戦について議論したいと言ってますけどどうしますか?」
「ライさん,神楽耶様から昼食会のお誘いが……」
「ハッチ前のトイレの異臭が凄いと苦情が出てます!」
「ぎゃー! ゴゴゴゴゴゴゴ…ゴキッ,ゴキ…!」
「なぁ,ラーイー! いるんだろ! 南の眼鏡ふんずけちまってさぁ,なおしてくんね?」
「……………」
この部屋が静かなときというのは戦闘中だけなんだろうな……….
 
非戦闘時間
 
山のように積みあがった書類は生徒会のそれの非ではない.
すでに正面の扉すら見えなくなるほどのそれのどこから手を付けたらいいのか少々悩む.下手に動かしでもしたら崩れ,取り返しのつかないことになってしまいそうだ.
時刻は正午.お昼時.
つまり,いくら仕事に追われている団員であろうと,食事に出かけている時間帯だ.
僕の自室が漸く静かになった時間帯でもある.
毎日毎日持ち込まれる書類の数は増え,最近では本当に僕が処理しなければならないのかわからない珍事件まで飛び込んでくるようになった.
皆,僕を何でも係かなにかと勘違いしているんじゃないだろうか.
ゼロやディートハルト,藤堂さんには言いにくい事柄なのだろうが,流石に,一週間も監禁状態になっていると気がめいってくる.
「はぁ……」
盛大に息を吐き,瞳を閉じ,黒皮の椅子に深々と腰掛ける.
ルルーシュは今頃何をしているだろう.
頻繁に連絡を取るような間柄ではなかったが,今,彼がどこで何をしているのか全く把握できていない自分に少々驚く.
斑鳩にいるのかいないのか.
学校にいるのかいないのか.
ゼロなのかルルーシュなのか.
一人でまた何か抱え込んでいやしないか.
彼について思いを馳せたら心配事ばかり………いや,違うな.
心配しているように見せかけているだけだ.
本当は会いたくて.
会いたくて会いたくて顔を見たくて触れ合いたくて.
彼がもし,一人で震えていたとしても何もできない自分に苛立って.
この仕事だって君のためのものであるはずなのに,そんなもの全て投げ出して君に会いに行ってしまいたいとすら思う.
「ルルーシュ………」
一週間ぶりに呼んだ彼の名前はか細く,震えていた.
声に出してしまったら切なさが増すということなどわかっていたはずなのに出さずにはいられなかった.
彼を感じられるものなんて,記憶にとどめた彼の姿と名前くらいしかなくて.
なんて女々しいのだろう.
君が傍にいないことをこんなにも寂しいと感じてしまう己のなんと怯懦なことか.
でも,ダメなんだもう.耐えられない,限界だ.
君が僕をダメにしたんだ.自覚はちゃんとあるのだろう?
そのまま思考はどんどんマイナスな方向へ進んでいきそうで,頭の中を切り替えるようにもう一度深く息を吐いた.
「疲れてるとろくなことを考えないな」
どうしようもなくなってしまう前に何か手を打たなければ相当まずい状況になるなと,割と真剣に考えて顔を上げると,やっぱりそこには書類の山が壮大とでもいってもらいたいのかと聞きたくなるほど胸を張ってそこにあった.
「……………」
腰から携帯を取り出して,電話をかけた.
「はい」
くぐもった男性の低い声がした.
ともすればため息が出てしまいそうになる己に渇を入れる.
残念ハズレ.
「もしもし,咲世子さんですか? ご無沙汰してます,ライです」
「あら,ライさんでしたか.珍しいですね,ライさんから電話がかかってくるなんて.それに一言でバレてしまいましたか…ルルーシュ様に似ていませんか?」
「そんなことないですよ.よく似てます.ただ,僕の電話を取ったときのルルーシュはもう少し心配症なので」
「と,いいますと?」
「怪我はないか? 食事はとっているか? 何か変わったことがあったんじゃないかと質問攻めにするんです.あんな反応返されたらなかなか電話し辛くなってしまって今までしないでいたんですけれど…それで,ルルーシュはいまどこに? 電話に咲世子さんが出たとなるとそこにはいないんですか?」
「いえ………いるにはいるんですが……」
「?」
「デート強化週間といたしまして,今週始めから本日までルルーシュ様には学園にいらっしゃる総勢276名の女生徒とデートをしていただいております.このお電話は充電が切れたためにルルーシュ様がおいていったのをたまたま私が取っただけにございます」
「…………デート…強化週間……?」
―………なにをしているんだ.
「はい.昼夜問わず出かけておいでで,私もいつ戻られるか……」
「わからないっていうの!? 元はといえば,咲世子がいい顔ばっかりするからじゃないか!」
電話の奥でロロが叫んでる.デートといっても不本意らしい.
といっても,ミレイさんの気まぐれなイベント毎でもないようだ.
ロロの言い分からして,ルルーシュに変装した咲世子さんがしでかした事態なのらしいが,何にせよ僕が執務室で缶詰状態になっているときに,ルルーシュは可愛い女の子たちとデート三昧,ということか.
「そうか」
さぞ楽しい時間をお過ごしなのだろう.
こっちはなにかあったんじゃないかと気をもんで,会いたいと焦がれていたのに馬鹿みたいだ.
とんだ道化だ.心配するだけ無駄ということか.
「友人関係はできるだけ円滑に,とのことでしたので.それにいたしましてもライさんはなにか御用があったのでは……差し支えなければ伝言をお伝えいたしますが?」
「-…………いや,たいしたことじゃない.姿が見えないものでどうしたのかと思っただけだ.こちらに問題は無い.なんならもう一週間そちらにいてもらっても構わない」
「もう一週間…ですか?」
「なに? あの人なんていってるの?」
「もう一週間こちらにいても構わないと…」
「それほんとに? ほんとにあの人がそういってるの? ちょっと貸して.もしもし,ねぇ,今の話本と?」
「やぁ,ロロ久しぶり.元気そうで何よりだ」
「そんなことはいいから答えて!」
「ああ.構わない.ルルーシュにはロロの方からそう伝えておいてくれ.僕のほうもあと一週間彼が戻ってこないほうが助かる.ルルーシュによろしく伝えてくれ.当分の間帰ってこなくても構わないと」
「了解!」
そのときばかりは素直に返事をしたロロとの電話を終え,通信機器としての役割を終えた機会をテーブルの前に置いた.
と,同時にノックもせずに入ってくる男.
「だから悪かったって! ライが直してくれるつったしさー…って,おい,ライー! 南の眼鏡の件なんだけど………よ………」
「南の眼鏡がどうしたって?」
「あー,いや,悪い.なんでもねー,邪魔したな.俺から謝っとくわ」
「玉城」
「! は,はい………」
「そんなに急いで帰る必要も無いだろう? 昼食は済んだのか? ほう,今日のランチはほっけの一夜星だったのか.それはまた藤堂さんリクエストの日本食だな.そうだ,腹がいっぱいになったら元気もあるだろう.今出来上がった書類があるんだ.頼まれてくれないか? あぁ,後ろに南もいるのか.入ってもらって構わない.ちょうど南にしてもらいたいことがあったんだ」
「(お,おい玉城! なんだよこの冷え切った空気は! お前何したんだよ!)」
「(しらねーよ! 俺が来たときにはもうこんな状態だったつの!)」
「(そんなわけないだろ! お前が何かしでかしたんだって! 他に誰がこんなに怒らせるっていうんだよ! 心当たりはないのか?)」
「(あるわきゃねー………と,思う……)」
「(悪い.心当たりが多すぎたな)」
「二人とも,何をこそこそ話しているんだ」
「「いえ,なんでもありません!」」
 
それから一週間,ゼロは斑鳩への帰還を許されず,帰還してもライの部屋に入ることはおろか顔を合わせることにも困難を強いられることになったのはまた別の話.
黒の騎士団はこの一週間のことを地獄の7日と呼び,その間に起きたあらゆることを記憶・記録から抹消した.
だが,心に刻まれたことが一つ.
ライを怒らせるな.
 
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