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2008.04.21 Mon 「 ギアスで小噺 02LC 短編
aboutにも書きましたが,好きなルートはブリタニア軍人篇です.
というか,特派が本当の家族や仲間のようにライに接してくれているのがいい.
ロイドさんがどのルートでもライにめろめろなんですけど(スカウトしまくる,荷物運ばせまくる等々),このルートのロイドさんは素敵すぎると思います.
特にENDの台詞.
僕が彼を見つけたいんだ」(ネタバレのため反転)(探したいんだ だったかな?)(うる覚えで申し訳ない;)
はすごい愛を感じました.

IDを作ったときの誕生日のシナリオとかね.
ブリタニア軍人ルート共通イベなのであれをやっていただいたのにもかかわらず,親衛隊になるのは大変心が痛かった.
あの時,ライは多分泣いたんじゃないかなと.それを見てスザクも泣いて,セシルさんやロイドさんは笑っていたらいい.そして二人でセシルさんのおにぎりをやいやい言いながら食べて笑っているといいな.
そんでロイドさんはクラブの素晴らしさを永遠と語るんだ.
なんていったってライ専用のナイトメアですからね.
色が違うだけではないのだよ色が違うだけでは.某赤い彗星の某ザクとは違うのだよ(笑)
待遇的にいえばコーネリアクラスの待遇ですよね.
ランスはもともとロイドさんの企画で作ったやつにスザクが乗っているんだからスザク仕様ではないわけで.
これを愛といわずになんというんだ!

ということで,誕生日が終わった後の特派日常風景話を一つ.
ロイドさんのことを語りましたがべつにカップリングというわけではないです.
あえて言うならライ総受け?
ライが幸せならそれでいいんです.

「いつか…そう遠くない未来に僕は過労死するかもしれない………」
 ぜぇはぁと息を乱し,ふらふらになりながらシュミレータから出ると慌ただしく駆け寄ってくるセシルさんとスザクの後ろで満面の笑みを作っているロイドさんがいた.
 あの人が笑っているのはいつものことだからあれが標準装備なのだが,今日ばかりはそのさわやかな中に何割か胡散臭さを混ぜた笑顔を引きはがしてやりたい衝動に駆られる.
「大丈夫かい? ほら,ドリンク.水分補給は大事だよ」
「………ありがとう,スザク」
「ライくん,無理させちゃってごめんなさいね.こっちにきて座って」
「すみません,セシルさん」
 スザクの肩を借りながらでないと歩くこともままならない体に叱咤するよりも,こんな状態になるまで粘った自分を褒めてやりたい.
 誰が見ても疑いようがないくらい今日のロイドさんのシュミレータは鬼だったのだから.
 メリーさんの羊を鼻歌しながら作ったシュミレータは敵を倒したら倍々に増えていくもので,クラブの性能を見たいんだよーと間延びした声でいったにしてはきつすぎた.
 10機のナイトメアに囲まれたときはサザーランドに対して生きる化石の如き黒い虫を目の前にしたときと同様の嫌悪感を抱いた.もしかするとそれ以上だったかもしれない.
 次からは無頼かグラスゴーにしてもらいたいものだ.
 当分サザーランドはみたくない.一生分は見たし,倒したという自信もある.
 というか,もう二度とこんなシュミレータはしたくない.
「やっぱり凄いね君~.消費エネルギーを最小限に抑えてあれだけの動き,最後の方なんか相手が動く前に倒しちゃってたからね.まるでそこに来ることがわかってるみたいにさ~」
「がむしゃらですよ,もう.考えて動いている暇なんかないじゃないですか」
「でもほら,あれ.敵の射撃を利用しての回避.あれも凄かったねぇ~」
「あれは僕もびっくりしたよ.君は動いていないように見えるのに君の後ろにいる敵がどんどんロストしていくんだからね」
「運だよ.運が良かった.武器も無くて,玉砕覚悟さ」
「そうかしら? あの時のコード入力数は3桁を超えていたからてっきり意図してやっていると思っていたのだけれど」
「なったらいいくらいには思ってました.例えシュレミレータ相手でも負けたくはありませんでしたし」
 最もそれは目の前にいる敵にではなく,制作者のロイドさんに対してにだったが.
「いやぁ~,僕は本当にいいデバイサーを手に入れたね.次は何を見せてくれるのかな,君は」
 ロイドさんは決して優しい人ではない.自分の興味の無い対象に対してはいるのかいないのかその認識すらしない人だ.知り合ってまだ日は浅いが,そのくらいのことはわかる.
 そのロイドさんが僕のために,特別に組んでくれた僕のクラブを使ってのプログラム.
 恐らく,出来ると思ったからこんなシュミレータを組んだのだろう.
 期待に答えたいと思う.ロイドさんのがっかりした顔はみたくない.
 ただそれは中盤までのことで終盤になるにつれて薄れていったけれど.
 そんな僕の気持ちを全く察している様子のないロイドさんはというとご機嫌の上に超をつけたような爛々と輝いた顔で数字の羅列した画面を覗き込んでいる.
 消耗しきっている僕とは違い,とても楽しそうだ.
「ロイドさん! もう,こんな無茶なシュミレータをするのはやめてください!」
「そうですよ! 大分良くなったけれど、出て来たときのライの顔をロイドさんも見たでしょう」
 特派の良心二人組がロイドさんに詰め寄っているのを聞きながら,ゆっくりと目を閉じた.
 心地よいとは呼べない疲労で体が重い.
 僕からもロイドさんに言いたいことは山のようにあるが,あの二人に任せておけば大丈夫.できればこうなる前にシュミレータを止めて欲しかったけれども.
 遠くでロイドさんのふて腐れた声が聞こえた.きっと,何で怒られているのか丸っきりわからないというような顔をしているのだろう.拗ねている顔が目に浮かんで,少し可笑しくなった.
 特派,特別派遣嚮導技術部の喧噪は僕を温かく包み込む.
 三人の声に抱かれながら意識を手放した.
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