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2008.04.28 Mon 「 purchase 01LC 短編
一本で終わらせようとしたら終わらなかったもの.
前後編程度で終わると思うので短編カテゴリーに入れておきます.
終わらなかったらのちのち長編に直します(いつもどこでも見切り発車です)

小説を書くときにプロットなどを立てずに書くのでこういうことになるんです,よく.
といいますか,プロットの書き方がわからない…;
みなさんがどうのようにして書いているのかが最近一番気になることです.


設定は
学園篇→戻ってきた後
のルルライです.
学園篇ライが戻ってくる数少ないENDの内の一つがルルというのはちょっと衝撃的な事実でした.
そしてかなり嬉しかった.
ライが帰ってきたときのルルが本当に嬉しそうで,「もう,いきなりいなくなったりなんかするな」なんて言って,お前ら付き合っちゃえよ! と公式に踊らされました.
ミレイさんENDでさえ,帰ってこないのにね(帰ってくると信じてた)(このルートのミレイさんは本当にライと幸せになって欲しかった)
お母さんが待ってるのに帰ってこない不肖な息子ですよ.
C.Cがいなかったらあのままヘリポートから……とか思うと凄く悲惨なENDじゃないかと.
全ルートで一番酷なのが学園篇てどゆこと?;
まだギアス篇の方が救いがあるように思います.


ピコピコピコ.
生徒会室内.
テーブルの上に山積みにされた書類に埋もれながら,以前ルルーシュと買いに行った『ピコピコハンマー』なる玩具ー工具では決して無いーを左右に振った.
気の抜けた音が西日の射した部屋の中に悲しく響く.
リヴァルは帰宅部,シャーリーは水泳部の活動に出かけ,カレンは体調が優れないからと,早々に帰宅した.
生徒会の中心人物である会長とルルーシュは先日行われたやり直し学園祭の報告をするために理事長室に,スザクは軍の仕事に行ってしまったため広い生徒会室の中に僕だけが一人,時間を弄んでいた.
ミレイさんに頼まれた書類の処理は既に済んだ.
部屋の掃除も,リヴァルの机の上の整頓も,アーサーの餌やりも終えて,他にすることが思いつかず,用途が全くわからない不思議な物体を手の中でくるくると回す.
自室に帰ろうかとも思ったが,生徒会室を無人で開け放しておくことに抵抗があって,生徒会室から離れられないでいる.
こんな時間まで此処にいるのは学園祭準備前以来だ.
テロ事件があって数ヶ月.
未だに此処にいること,いられることが信じられないでいる.
戻ってくるつもりはなかったのに,諦めたくなかった.
生きることを.
漸く手に入れた温かい場所,人を.
そして………

purchase 01

「なんだ,まだ残っていたのか」
「あれ? ライ,どうしたの? 電気もつけないで…書類,そんなに大変だった?」
「いえ,書類はまとめてファイリングしておきました.ミレイさんのサインが必要なものはそこに」
「ありがとう,ライは仕事が早いから助かるわー」
生徒会室の扉を開き,報告を終えたルルーシュとミレイさんが戻ってきた.
椅子から立ち上がり,部屋の明かりをつける.
いきなり点灯したライトが眩しくて,目を細めた.
ミレイさんは部屋に入ってきた勢いのままデスクにおいてある書類の幾つかを手に持ち,鼻歌交じりに文字を追っている.
疲れているはずなのにそれを感じさせない人だ.
「本当に,いつもどおりきっちりしているわね.リヴァルもシャーリーもはこういうの苦手だから本と,ライが戻ってきてくれて嬉しいわ.でも,どうして? 部屋に戻っていても良かったのに」
「部屋を無人で開けるのはどうかと思ったので…それに,部屋に戻っても此処にいてもあまり変わりありませんし」
「あぁ,そっか.ライに鍵を渡して置けばよかったわね.ごめんなさいね気づかなくて」
言葉を紡ぎながらミレイさんは持っていた書類をファイリングし,別のファイルを取って開いた.
「まだお仕事が残っているんですか?」
「ちょっとね…,予算の計算が合わないからそのチェックをもう一度しなくちゃならないのよ」
「お手伝いすることありますか?」
「仕事さぼり常習犯のルルーシュとやるから大丈夫よ.いるうちにこき使っておかないと,明日になったらいないかもしれないもの.それに,そんなに長くかからないと思うから,ライは部屋に戻ってゆっくりして頂戴」
「会長……,俺は,」
「わかりました.ミレイさんもルルーシュもあまり無理なさらないでくださいね」
ファイルから顔を上げたミレイさんに気遣いのある笑顔を向けられてしまったら返す言葉は一つしかない.
不満と申し訳なさが入り混じった顔をして,ミレイさんに不服を申し立てようとするルルーシュの肩を叩き,小さく耳打ちした.
「残念だけど,買い物には僕一人で行ってくるよ.仕事,がんばって」
荷物を持って扉を開け部屋を出る.
一歩二歩歩いて自然と扉が閉まった気配がした後,大きく盛大なため息をついた.
ルルーシュが悪いわけじゃない.
生徒会の仕事は大事だし,予算関係にルルーシュがいないことには話にならない.
もう一度ため息をついて,再び歩き始める.
しょうがない,しょうがない.
呪文のように頭の中で繰り返す.
約束というほどのものでもなかったけれど,時間が出来たらという話だったけれど,気分が憂鬱になるには十分な要因だった.
思いのほか,授業後に行くルルーシュとの買い物を楽しみにしていた自分がいてそれにも驚く.
「……割とくるもんなんだな」
石を背負っているように重い身体を引きずりつつ,予定とは違ったスケジュールをこなすために租界に向かった.

To be continued...

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