忍者ブログ
pantomime

2024.05.19 Sun 「 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008.08.03 Sun 「 親友とその弟LC 短編

ルルとライが付き合っているという前提で,ロロも絡めたお話.

疲れているのに眠れなかったので,時間の有効利用のために一本書き上げました.
実はずっと頭の中にあったのですがなかなか形にすることができなかった,R2でライとロロがからんだらどんな感じになるのかな? ってやつです.

結論:殺伐とした感じになりそう.

ロロがギアスを使えるってのはライには内緒という感じだと思ってください.
設定適当ですみません;
まとまりきらなかった&キャラが偽者ちっくなので後で修正かもです.

余談なのですが,もしR2でライがいて,そこにロロがいたとしたら,ルルは天然でライの死亡フラグたてまくるような気がします.
この二人ナチュラルでラブラブで,ラブラブしてなくても男として親密関係最上位にいるライをロロが嫉妬しないわけが無い.ライはなんかこの子やばそう…という気配は察知しているのですが,それが何かはわからない.
みたいなドロッドロの三角関係希望.
ドロドロさせてるのはロロただ一人.ていうのは言わない方向で(笑)



嫌っているわけじゃない.
でも,恐らく自分は嫌われているのだろう.
邪魔したいわけじゃない.
けれど,多分僕は彼にとって邪魔者以外の何者でもないのだろう.
何かされたわけじゃない.
しかし,どうしてだか自分は彼を【恐い】と感じてしまうのだ.


親友とその弟
 

「-………お,はよう,ロロ」
「…………」
部屋から出たところにちょうどロロと居合わせた.
時間は朝.
ロロの部屋は僕の自室とは真逆の位置にあり,学校に行くには中央にある階段を降りれば済むことで,わざわざ階段を越え僕の部屋の前に来る必要はまるでない.
だから,扉を開けたとき彼が部屋の前いにいたことは偶然ではないと瞬時に理解できた.
無表情の少年は,うつろな目をして僕を見上げている.
いつもそうだ.
ルルーシュや他の生徒会メンバーに向ける視線と僕に向けられるものとはまるで違う.
ただ見られているだけなのに背筋の凍るような恐怖を感じる瞳.
戦場では外れたことのない勘が「こいつは危ない」「早く逃げろ」と警報を鳴らすが,何故そう告げられるのか困惑する.危険なんてなにもないはずなのに,体は正直で,半歩足が下がりいつでも動けるように身構えてしまう.
「-……兄さん,いるんでしょ」
「あ,あぁ.時機に来ると思うが…何か用事でも?」
「…………」
会話を試みようと質問してみるがキッと睨まれて無言になってしまった.
何が原因なのか知らないが,僕は彼に相当嫌われいる.
いや,原因に心当たりが無いわけではない.
恐らく……
「すまない遅くなった,玉城がまた何かやらかしたらしい.全く……? ロロ? どうしてこんなところに」
恐らく原因はこの男.ルルーシュだ.
黒の騎士団へ一日のスケジュールを伝え終えたルルーシュは制服を正しながら部屋の前に突っ立っている僕とロロを見比べる.
理由を知っているかというような視線を向けてきたので,肩をすくめてみせた.
予想はつくが,本当のところがどうなのかは知らない.
ロロは僕に対してする表情とは全く違う,普通の少年の顔をしてルルーシュに視線をうつした.
ルルーシュの前では笑ったり,時折優しい顔をするのを知っている.悪い子じゃない.
ただ,僕はほの暗い闇すら垣間見える瞳を持つほどに嫌われているのだ.
「兄さんこそ,昨日の晩部屋にも戻らないで何やってたの」
「何って……」
唐突なロロの質問に面食らったルルーシュが困惑したように口を閉ざす.
口ごもるな.僕を見るな.
イレギュラーなことに本当に弱い親友がぼろを出す前に,お前には聞いていないという顔をされるのを承知で説明役をかわった.
「チェスの勝敗がつかなくて徹夜したんだ.な? ルルーシュ」
「あ,あぁ」
あながち嘘でもなかったが,ルルーシュがぎこちなく頷くものでロロの疑念は深まるばかりだ.
何を疑っているのかは,この際考えないことにする.
「-…兄さんはチェスで負けたことなんか無いのに」
「それは違うなロロ」
「え?」
「俺だって負けるときくらいあるさ.特にライが相手だと勝敗は5分というところか」
「一勝ルルーシュが勝ってる」
「なんだ,不満そうだな」
「たとえ相手がルルーシュでも負けっぱなしは嫌なんだ」
「俺に勝つことさえ難しいというのに…だが,ライも確実に強くなっているから退屈しないよ.どこか勉強でもしてるのか?」
「いいや,チェスを打つのはルルーシュとだけだ.朝比奈や藤堂さんに誘われて時々将棋を指すことはあるが」
「だからお前の進めるコマはどこか日本的なんだな」
「そうかもしれないな.参考にさせてもらっている.特に藤堂さんの………」
いつもの調子で話していた言葉が止まった.
動きが止まった.
嫌な気配を感じた.
穏やかな朝には似つかわしくない,不穏な気配.
それは血なまぐさい死臭を漂わせ,背筋にビリリと電気が走るような衝撃.殺気.
ぎょっとしてロロを見る.
視線を向けたときには,すでに彼はルルーシュの前だけでの彼に戻っていて「早く行かないと学校に遅刻しちゃよ」とルルーシュの遅い歩を急かしていた.
気のせい?
そんなわけない.
この近距離で,間違うはずない.
でも,何故?
彼の正体については知っている.ルルーシュを監視するためにブリタニアから送り込まれてきた諜報部員だ.
(でもあの感じ……)
二人の背中が並んで歩くのを見ながら,先ほど感じた気配を探る.
あれは……似ていた.
ルルーシュや僕が持っている力と…….
「ライ,どうした?」
「いや……」
ロロから視線を外さず,彼らの歩く一歩後ろをついて歩く.
彼がルルーシュに異常なほど依存していることは知っている.
だから,気に入らないのだ僕のことが.
きっと彼はルルーシュの一番になりたいから.
でもルルーシュの一番はナナリーということも知っているはずだ.
(あの殺気……)
僕に向けられているだけならまだいい.
けれど,いつか他の誰かに.
自らの身を守ることのできない弱い人に向けられる日が来ないと言い切れるのだろうか.
その時,僕は守れるだろうか.
そんなことあって欲しくないと願いながら,一度感じてしまった懸念は消えることが無かった.

PR
COMMENTS
SUBJECT
NAME
EMAIL
URL
編集用パスワード
COMMENTVodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

TRACKBACKS
トラックバックURL
倉庫
pantomime storehouse
→pantomime storehouse については informatiom をご覧ください.
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
web拍手
お礼5つ.LC:ライ・ルル・スザク & P4:花村・完二それぞれの夏休み篇
更新履歴
カウンター
カテゴリー
*初めてお越し下さった方はinformationへどうぞ.
ブログ内検索
リンク
* があるのは相互サイト様です.  ありがとうございます!