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「砂糖は一つ,だったな」
「あぁ,ありがとう」
「熱いから気をつけろよ」
「わかってる」
「茶菓子は何がいい?」
「何でもかまわないが………」
「じゃあ,今日咲世子さんが焼いたフランボワーズケーキにしよう.好きだろ?」
「咲世子さんが作るケーキは絶品だからな.手伝うよ」
「いや,いい.ライは座っていてくれ」
「でも……」
「俺がしたいんだ.やらせてくれ」
「あ,ああ………」
「ル…ルルーシュも食べたらどうだ?」
「俺は別にかまわないが…欲しいのならやるぞ」
「いや,そんなことは思っていないが………」
「遠慮しなくていい.なんなら残りのケーキも」
「大丈夫だ満足している遠慮などしていない」
「そうか.お茶のおかわりは?」
「此処にきて既に5杯飲んでいる.結構だ.それよりルルーシュ」
「なんだ?」
「僕は君が心配だ.何かあったのか?」
「何かって?」
「変なものを拾って食べたとか,どこかに頭をぶつけたとか,チーズのにおいにあてられたとか………」
「なんだそれは」
「ないのなら,最近寝てないのか? 疲れているのか? 熱は? めまいがしたり頭痛がしていたりしないのか?」
「何が言いたいんだ」
「今の君は変だ」
「へん?」
「その…なんというかいつもの君と違うというか,いや,同じなんだけれど同じではなくて…….-……一応確認するが,僕はナナリーではないぞ?」
「何を言い出すのかと思えば.当たり前じゃないか」
「いや,今の君はわかっていない.ポットを持つのだって許してくれないじゃないか」
「火傷したら危ないだろ?」
「…………」
「気づいたんだよ」
「気づいた?」
「ライがナナリーと同じくらい俺にとって大切な存在だってことにさ」
「……で,この待遇なわけですか?」
「俺が好きにやっているんだ.ライはそれを受け入れればいい.それとも嫌なのか?」
「嫌……ではないが,居心地が,悪い………」
「直になれる.ナナリーも始めのうちはそうだった」
「だから,僕とナナリーは違うと…!」
「ああ,わかっているさ.お前はライ.俺の妹でも弟でもない存在.でも,俺の傍にいて決して俺を裏切らない存在.そうだろ?」
「………….き…君という人は……」
「なんだ?」
「自分の中に入れた人間にはとことん甘いんだな.その自覚があるのか,ないのかわからないが少し甘すぎるぞ」
『そんなに甘やかされてしまっては,君から離れがたくなってしまうじゃないか』